建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報

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建設キャリアアップシステム 2023.12.18

建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録の流れや必要書類を解説

建設キャリアアップシステム(CCUS)は技能者(作業員)の就業履歴や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場の効率化につなげるシステムで多くの建設現場に導入されています。

しかし、建設キャリアアップシステムを導入した建設現場では、技能者が事前に建設キャリアアップシステムの技能者登録を行い「建設キャリアアップカード」を入手する必要があるのも事実です。

今回の記事では、建設キャリアアップシステムの技能者登録の流れや、必要書類について解説します。建設キャリアアップシステムの技能者登録をご検討中で、技能者登録の流れや必要書類が知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

▼このコラムを読んでもらいたい方

  • 建設・建築業界で働いている技能者や事業者
  • 建設キャリアアップシステムの導入を検討している方
  • 建設キャリアアップシステムの基本を知りたい方

▼このコラムを読んで得られる情報

  • 建設キャリアアップシステムの技能者登録とはなにか
  • 建設キャリアアップシステムの技能者登録に必要な書類
  • 建設キャリアアップシステムの技能者登録をする手順

1.建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録とは

1.建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録とは

建設キャリアアップシステムの技能者登録とは、技能者の保有資格・社会保険加入状況や現場の就業実績を建設キャリアアップシステムに登録し、建設キャリアアップカードを取得することです。

インターネットまたは認定登録機関から申請する方法、簡略型や詳細型の違いについて解説します。

1-1.申請はインターネットまたは認定登録機関から可能

建設キャリアアップシステム技能者登録の申請方法は、「インターネット申請」と「認定登録機関申請」の2種類です。

「インターネット申請」は建設キャリアアップシステム公式サイトの技能者登録ページから、技能者が直接必要事項を入力して申請する方法です。

→技能者登録のインターット申請

「認定登録機関申請」は登録申請書を手書きで記入し、一般財団法人建設業振興基金が認定する登録機関の窓口から申請する方法です。

→認定登録機関

1-2.登録方法は簡略型と詳細型の2種類

建設キャリアアップシステム技能者登録の登録内容は「本人情報」「所属事業者情報」「社会保険情報」「保有資格情報」「健康診断のほか各種資格情報」です。

インターネット申請のみ、「簡略型と詳細型」のどちらかを選択できます(認定登録機関申請は詳細型のみ)。簡易型と詳細型の違いは以下のとおりです。

項目簡易型詳細型
料金(税込)2,500円4,900円
登録内容本人情報(本人氏名・生年月日・性別・血液型・国籍・現住所・電話番号・メールアドレス
・カード送付先・緊急連絡先の住所/番号/氏名)
所属事業者
職種
経験
社会保険(健康保険・年金保険・雇用保険)
建退共
中退共
簡易型に加えて、以下の項目を登録可能
労災保険特別加入
健康診断
学歴
登録基幹技能者資格
保有資格等
研修等受講履歴
表彰履歴
レベル判定不可可能

必要に応じてどちらかを選択できますが、技能者の能力評価制度(レベル判定)を利用する場合は詳細型を選択する必要があります。

2.建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録に必要な書類

2.建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録に必要な書類

建設キャリアアップシステムの技能者登録に必要な書類は、「本人確認書類・顔写真・社会保険加入証明書類・各種資格の証明書類・各種同意書(代理申請の場合)」です。それぞれの内容について解説します。

2-1.本人確認書類

建設キャリアアップシステム技能者登録の本人確認書類として、氏名・顔写真・現住所・生年月日が記載された書類(下記の1〜3いずれか1種類)の提出が必要です。

NO本人確認書類 ※下記1〜3いずれか1種類
1マイナンバーカードまたは運転免許証のどちらか1点(写し)
2パスポート1点+現住所が記載されている公的身分証明書1点の合計2点(写し)
3公的身分証明書の中から、氏名・生年月日・現住所が確認できる書類2点(写し)
  • 外国籍の方は特別永住証明書または在留カードのどちらか1点(写し)
  • 顔写真が無い書類を本人確認書類とする場合、インターネット申請は不可
  • インターネット申請の場合は上記書類をJPG形式の電子ファイルにして添付

2-2.顔写真

建設キャリアアップカード用として、顔写真(下記条件)の提出が必要です。ここで提出する顔写真は次回更新まで変更できないため、原則10年間保持される点にご注意ください。

項目写真の条件
撮影期間写真店や証明写真ボックスで6ヶ月以内に撮影した物
サイズ(インターネット申請):294×378ピクセルのJPG形式画像を添付
(認定登録機関で窓口申請):タテ45mm・ヨコ35mmのパスポート用サイズの「カラー写真」
背景背景は青色または淡いグレー色で無背景のもの
向き正面を向いた、帽子やヘルメット・サングラスをつけていないもの
  • インターネット申請と窓口で使える写真サイズが異なる
  • 顔写真の変更はキャリアアップカードの紛失以外、原則として対応不可

2-3.社会保険加入証明書類

社会保険の加入が証明できるものとして下記証明書類(写し)の提出が必要です。

種類内容
健康保険加入している健康保険証
年金保険厚生年金加入証明書または標準報酬決定通知書
雇用保険雇用保険証明書類
建設業退職金共済制度建設業退職金共済制度証明書類
中小企業退職金共済制度中小企業退職金共済制度証明書類
労災保険特別加入労災保険特別加入証明書類 ※詳細型のみ
  • インターネット申請の場合は上記書類をJPG形式の電子ファイルにして添付
  • 健康保険の健康保険被保険者記号・番号はマスキング処理を行うこと
  • 年金保険に本人以外の氏名が記載されている場合はマスキング処理を行うこと

2-4.各種資格の証明書類(詳細型で登録する場合のみ)

各種資格の加入が証明できるものとして下記証明書類(写し)の提出が必要です。

種類内容
健康診断証明書の提出は必要無し
職種・経験証明書の提出は必要無し
学歴指定学科を卒業した卒業証明書 ※卒業証明書は原本が必要
登録基幹技能者免許証サイズの登録基幹技能者講習修了証
保有資格等合格証・免許証・技能講習修了証・安全衛生教育修了証
研修等の受講履歴研修名・氏名・受講年月日を確認できる書類
表彰等の履歴表彰名・氏名・表彰年月日を確認できる書類
  • インターネット申請の場合は上記書類をJPG形式の電子ファイルにして添付

2-5.各種同意書(事業者が代行申請する場合のみ)

事業者が技能者登録を代行申請する場合は下記3種類の同意書が必要です。また、代行申請をする事業者は、事前に事業者登録を行う必要があります。

同意書の種類内容
代行申請同意書代行申請事業者の情報を記載した同意書に署名したもの
個人情報取り扱い同意書個人情報の取り扱いについて記載した同意書に署名したもの
システム利用規約同意書建設キャリアアップシステム利用規約を記載した同意書に署名したもの
  • インターネット申請の場合は指定の書式をダウンロードして必要事項を記入し、JPG形式の電子ファイルにして添付
  • 本人が建設キャリアアップシステムへ技能登録を行う場合は、代理申請書類等は一切不要

→同意書のダウンロード

3.建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録の手順

3.建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録の手順

建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者に登録する流れは以下のとおりです。

  1. 公式サイトで申請用IDを取得し規約に同意する
  2. 必要な情報を入力する
  3. 簡易型・詳細型を選ぶ
  4. 支払いをする

建設キャリアアップシステムの技能者登録をインターネットで申請する手順について、各ステップごとに詳しく解説します。

3-1.公式サイトで申請用IDを取得し規約に同意する

インターネット申請には、申請用ログインIDが必要です。建設キャリアアップシステムの公式サイトから「技能者」→「申込み」をクリックします。

技能者新規申請画面が開いたら、利用者氏名・住所・電話番号・メールアドレスを入力し「利用申込み」をクリックします。

登録したメールアドレスに申請ログインID・申請用パスワード・申請用ログインURLが届きます。申請用ログインURLから本申請に進みましょう。

申請用パスワードを変更し「個人情報の取り扱い等の同意情報」と「システム利用規約同意情報」に同意して次のステップに進みます。

3-2.技能者情報を入力する

技能者情報入力画面より下記の項目を入力します。

項目内容
技能者氏名技能者氏名を本人確認書類と同じ表記で入力
通称名(旧姓)通称名または旧姓名の登録を希望する場合は入力
生年月日・性別・血液型生年月日・性別・血液型を入力
現住所現住所を本人確認書類と同じ住所を入力
電話番号・FAX番号日中連絡が取れる自宅または携帯の番号を入力
メールアドレス申請用ログインID取得時のアドレスを表示(変更可)
カード送付先住所カード送付先が現住所と異なる場合は住所を入力
緊急連絡先緊急連絡先が現住所と異なる場合は連絡先を入力

3-3.本人情報を入力する

本人確認書類として氏名・顔写真・現住所・生年月日が記載された公的身分証明書(マイナンバーカード・運転免許証など)をJPG形式の電子ファイルにして添付します。

顔写真は6ヶ月以内に撮影した294×378ピクセルのJPG形式画像を添付します。撮影する時は正面を向き、帽子をかぶらず、無背景(白地など)で撮影する必要があります。写真は建設キャリアアップカードに印刷され、原則として10年間更新ができないためご注意ください。

3-4.所属事業者情報を入力する

所属事業者は社会保険を納付している事業者を、主たる所属事業者として登録します。一人親方の場合は、個人事業主としてご本人の情報を登録します。

所属事業者が建設業許可を取得している、もしくはCCUSに登録済みの場合は「事業者選択」画面から選択して入力できます。

3-5.職種を入力する

職種は「技能職種選択」画面から該当する職種を選択します。職種は何個でも登録可能ですが、主たる職種を一つ選択します。

3-6.経験等を入力する

経験等の「技能者本人記入用」は過去の職歴等を50文字以内で入力します。「所属事業者記入用」は所属事業者の担当者に確認のうえ、技能者本人が入力します。

3-7.社会保険情報を入力する

社会保険情報は「健康保険」「年金保険」「雇用保険」「建設業退職金共済制度」「中小企業退職金共済制度」の順に加入状況を入力します。

「健康保険情報」は加入している健康保険の「種類」「保険者名称」を入力します。健康保険確認書類として「健康保険被保険者証」などをJPG形式の電子ファイルにして添付します。

「年金保険情報」は加入している年金の「国民年金」「厚生年金」どちらかを選択する形式です。年金保険確認書類として国民年金は年金手帳や保険料の領収書、厚生年金は標準報酬決定通知書をJPG形式の電子ファイルにして添付します。

「雇用保険情報」は加入している雇用保険の雇用保険被保険者番号を入力します。雇用保険確認書類をJPG形式の電子ファイルにして添付します。

「建設業退職金共済制度情報」は加入している共済の被共済者番号を入力します。建設業退職金共済制度確認書類をJPG形式の電子ファイルにして添付します。

「中小企業退職金共済制度情報」は加入の有無を選択します。中小企業退職金共済制度確認書類をJPG形式の電子ファイルにして添付します。

3-8.簡易型または詳細型を選択する

簡略型と詳細型のどちらかを選択します。技能者の能力評価制度(レベル判定)を利用する場合は、ここで詳細型を選択しましょう。

3-9.【簡易型の場合】支払い画面で手続きを行う

建設キャリアアップシステムの技能登録で簡易型を選択した場合は、申請内容を確認してこのまま支払い手続きを行います。

「内容確認」をクリックし申請内容を確認後、問題なければ「申請」をクリックします。次に支払い内容(簡易型は税込2,500円)を確認して「決済」をクリックします。支払方法をクレジットカードまたは払込票を選択して支払い手続きを完了すれば、建設キャリアアップシステムへの技能登録は完了です。

3-10.【詳細型の場合】追加の情報を入力し支払画面で手続きを行う

建設キャリアアップシステムの技能登録で詳細型を選択した場合は、「労災保険特別加入」「健康診断」「学歴」「保有する登録基幹技能者」「保有資格」「研修等の受講履歴」「表彰等の履歴」の各情報を入力し、必要に応じて確認書類をJPG形式の電子ファイルにして添付します。

その後、「内容確認」をクリックし申請内容を確認後、問題なければ「申請」をクリックします。次に支払い内容(詳細型は税込4,900円)を確認して「決済」をクリックします。支払方法をクレジットカードまたは払込票を選択して支払い手続きを完了すれば、技能登録は完了です。

4.建設キャリアアップシステム(CCUS)で技能者登録をした後の流れ

4.建設キャリアアップシステム(CCUS)で技能者登録をした後の流れ

建設キャリアアップシステムの技能者登録申請が完了した後、「建設キャリアアップカード」を受け取る流れや運用方法について解説します。

4-1.ICカードが発行される

インターネットでの登録完了後、約3週間で「技能者情報新規登録完了(技能者ID)のお知らせ」が技能者本人・所属事業者・代行申請事業者にメールで届きます。

「技能者ID」メール受信後、約1週間で指定した送付先住所に簡易書留で建設キャリアアップカードが届きます。

4-2.事業者が現場・施工体制を登録する

建設現場で建設キャリアアップシステムを導入するには、元請事業者が「現場・契約情報」や「施工体制」をシステム上に登録します。

下請事業者はその「施工体制」に対して、「作業員名簿」を登録します。技能者の立場や作業内容の登録により、正確な就業履歴が蓄積されるようになるのがメリットです。

4-3.現場に設置されるカードリーダーにカードをタッチする

建設キャリアアップシステムに就業履歴を蓄積するには、建築現場に設置されたカードリーダーに建設キャリアアップカードをタッチする必要があります。

建築現場に入退場する時にも、建設キャリアアップカードをタッチして就業履歴を蓄積する仕組みです。就業履歴は能力評価制度につながる大事なデータのため、定期的にご自身の就業履歴を確認することをおすすめします。

5.まとめ

建設キャリアアップシステムの技能者登録とは、技能者の保有資格・社会保険加入状況や現場の就業実績を建設キャリアアップシステムに登録し、建設キャリアアップカードを取得する仕組みです。

技能者登録はインターネットまたは認定登録機関から申請する方法の2種類があり、申請してから約1ヶ月で登録を完了し建設キャリアアップカードを受け取れます。

建設キャリアアップシステムの運用では、建設キャリアアップカードを現場のカードリーダにかざすだけで、就業履歴を蓄積できます。しかし、現場のカードリーダが古かったり、適切に動作できなかったりすると、就業履歴がしっかり保存できていないといったトラブルを招いてしまうかもしれません。

もし建設キャリアアップシステムの登録にあわせて、現場でのシステム運用もお考えの場合は、アートサービスのカードリーダー「Easy Pass」をご検討ください。必要な機能をすべて搭載した月額タイプのカードリーダーで、電源を入れるだけで即日利用が可能です。

使いやすいカードリーダーを探している方は、ぜひ「Easy Pass」のご利用をご検討ください。

→Easy Passについて

建設現場用セキュリティゲート