建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報
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建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報
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建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、技能者の就業履歴や資格を登録し、技能の公正な評価や工事の品質向上、現場の効率化につなげるシステムです。
ただし、建設キャリアアップシステム導入には、事前に事業者登録及び技能者登録が必要です。事業者は雇用する技能者を適切に評価するために、現場情報・工事概要・施工体制を登録し、建築現場にICカードリーダーを設置しなければなりません。
(注:就業履歴管理を行う機器を設置する必要があるのは元請のみです。また、設置する機器は必ずしもICカードリーダーである必要はありません。)
そして技能者は、現場でカードリーダーにタッチして就業履歴を蓄積できるようになります。
今回の記事では、建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録に必要な書類や登録の手順、運用のポイントを解説します。
建設キャリアアップの事業者登録を検討中で、事業者登録の方法を詳しく知りたい方はぜひ最後までお読みください。
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建設キャリアアップシステム運用には、現場ごとに現場情報・施工体制の登録、現場へのリーダ設置、技能者のカード照合による履歴の蓄積を行う必要があります。しかし、それには事前に建設キャリアアップシステム事業者登録と技能者登録を行わなければなりません。
建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録とは、勤怠管理の効率化など、いち早く最新システムに対応していると技能者や取引先にアピールできる手段のひとつとも言えるでしょう。
建設キャリアアップシステムの事業者登録では「会社情報」と「社会保険加入情報」の登録が必要です。申請方法は、「インターネット申請」と「認定登録機関申請」の2種類があります。
インターネット申請は建設キャリアアップシステム公式サイトの事業者登録ページから事業者が直接必要事項を入力して申請する方法です。
認定登録機関申請は登録申請書を手書きで記入し、一般財団法人建設業振興基金が認定する登録機関の窓口から申請する方法です。
建設キャリアアップシステムの事業者登録に必要な書類は「事業者確認書類」「社会保険加入証明書類」です。それぞれの内容について解説します。
建設キャリアアップシステム事業者登録の申請では、正確な情報を登録するために、書類での事業者確認を行います。事業者確認書類は建設業許可の有無により提出書類が異なります。それぞれの提出に必要な書類は以下のとおりです。
項目 | 事業者確認書類 ※下記のうち、いずれか1点(写し) |
---|---|
建設業許可証がある場合(法人・個人事業主・一人親方) | 建設業許可証明書 または、建設業許可通知書 |
建設業許可がない法人の場合※1 | 事業税・法人税どちらかの確定申告書(税務署の受付印があり1年以内のもの) または、納税証明書及び履歴事項全部証明書の計2点(1年以内のもの) |
建設業許可がない個人事業主・一人親方の場合 | 納税証明書(1年以内のもの)または個人事業の開始届または 所得税の確定申告書(税務署の受付印があり1年以内のもの) |
建設キャリアアップシステムの事業者登録に必要な社会保険加入証明書類は「健康保険確認書類」「年金保険確認書類」「雇用保険確認書類」「退職金制度確認書類」「労災保険特別加入確認書類」の5種類です。各社会保険加入証明の提出に必要な書類は以下のとおりです。
項目 | 証明書類※下記のうち、いずれか1点(写し) |
---|---|
健康保険組合 | 口座振替済領収証書 |
納入告知書兼領収証書 | |
全国健康保険協会(協会けんぽ) | 社会保険料納入証明書 |
適用通知書 | |
健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書 | |
健康保険適用除外(国保組合) | 保険組合加入証明書 |
保険料振替済通知書/保険料納額告知書 | |
保険料納額告知書&領収書 |
項目 | 証明書類※下記のうち、いずれか1点(写し) |
---|---|
厚生年金 | 社会保険料納入証明書 |
適用通知書 | |
健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書 |
項目 | 証明書類※下記のうち、いずれか1点(写し) |
---|---|
【雇用保険加入】の場合 | 雇用保険適用事業所設置届事業主控 |
納付書・領収証書 | |
労働保険 概算・増加概算・確定保険料 申告書 | |
労働保険料等納入通知書(事務組合発行) |
項目 | 証明書類※下記のうち、いずれか1点(写し) |
---|---|
建設業退職金共済制度 | 建設業退職金共済契約者証 |
中小企業退職金共済制度 | 中小企業退職金共済制度加入証明書 |
項目 | 証明書類※下記のうち、いずれか1点(写し) |
---|---|
労災保険特別加入確認書類 | 労災保険加入証明証 |
労働者災害補償保険 特別加入証明証 (一人親方) |
建設キャリアアップシステムの事業者登録をインターネットで申請する場合は、「事業者新規登録申請用ログインIDの取得」「パスワード変更と規約の同意」「会社情報の入力」「社会保険加入情報の入力」の手順で登録します。
ここでは、各項目ごとに登録の手順を詳しく解説します。
建設キャリアアップシステム事業者登録のインターネット申請には、申請用ログインIDが必要です。建設キャリアアップシステムの公式サイトから「事業者」→「申込み」をクリックします。
事業者新規利用申込み画面が開いたら、事業者名・登録責任者(氏名・住所・電話番号・メールアドレス)を入力し「利用申込み」をクリックします。
登録したメールアドレスに申請ログインID・申請用パスワード・申請用ログインURLが届きます。申請用ログインURLから本申請に進みます。
建設キャリアアップシステム事業者登録の本申請画面が開いたら、申請ログインID・申請用パスワードを入力し「ログイン」をクリックします。
申請用パスワードと新しいパスワードを入力し「パスワード変更」をクリックします。
パスワード変更後の再ログイン画面で「200_新規登録」→「10_登録申請」をクリックします。
「個人情報の取り扱い同意」と「システム利用規約同意情報」を一読し、それぞれ「同意する」をクリックして次のステップに進みます。
建設業許可証がある場合は、建設業許可番号及び種類を入力して検索すると、建設業許可データが事業者情報の登録申請内容の一部として自動的に入力されます。
建設キャリアアップシステム事業者登録の申請画面が開いたら、事業者名・代表者名・所在地・法人情報を入力し、事業者確認書類をJPG形式の電子ファイルにして添付します。
その後、事業者登録料を算出するための資本金情報を入力しましょう。資本金確認書類をJPG形式の電子ファイルにして添付します。建設業許可データを参照する場合は添付書類は不要です。
完成工事高情報・登録責任者・建設に関わる業種情報・支店情報を入力して次のステップに進みます。
健康保険情報の入力は健康保険組合・全国健康保険協会(協会けんぽ)・健康保険適用除外(建設国保)・健康保険適用除外(国民健康保険)があり、加入している健康保険の情報を下記の手順で登録します。
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「有」を選択 |
事業所整理記号 | 番号を確認して入力 |
事業所番号 | 番号を確認して入力 |
健康保険組合有無 | 「有」を選択 |
国保組合有無 | 「無」 |
健康保険組合名称 | 組合の名称を入力 |
国保組合名称 | 入力不要 |
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「有」を選択 |
事業所整理記号 | 番号を確認して入力 |
事業所番号 | 番号を確認して入力 |
健康保険組合有無 | 「無」 |
国保組合有無 | 「無」 |
健康保険組合名称 | 組合の名称を入力 |
国保組合名称 | 入力不要 |
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「適用除外」を選択 |
適用除外理由 | 「けんぽ適用除外承認済」を選択 |
事業所整理記号 | 番号を確認して入力 |
事業所番号 | 番号を確認して入力 |
健康保険組合有無 | 「無」 |
国保組合有無 | 「有」を選択 |
健康保険組合名称 | 入力不要 |
国保組合名称 | 組合の名称を入力 |
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「適用除外」を選択 |
適用除外理由 | 「5人未満個人事務所」を選択 |
事業所整理記号 | 入力不要 |
事業所番号 | 入力不要 |
健康保険組合有無 | 「無」 |
国保組合有無 | 「無」 |
健康保険組合名称 | 入力不要 |
国保組合名称 | 入力不要 |
年金保険情報の入力は厚生年金と国民年金があり、加入している年金保険の情報を下記の手順で登録します。
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「有」を選択 |
事業所整理記号 | 番号を確認して入力 |
事業所番号 | 番号を確認して入力 |
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「適用除外」を選択 |
適用除外理由 | 「5人未満個人事業所」を選択 |
事業所整理記号 | 入力不要 |
事業所番号 | 入力不要 |
雇用保険情報の入力は雇用保険の加入状況により下記の手順で登録します。
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「有」を選択 |
労働保険番号 | 番号を確認して入力 |
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「適用除外」を選択 |
適用除外理由 | 「従業員なし」を選択 |
労働保険番号 | 入力不要 |
共済金制度や労災特別加入に関する入力は建設業退職金共済制度・中小企業退職金共済制度・労災保険特別加入があり、加入状況により下記の手順で登録します。
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「有」を選択 |
共済契約者番号 | 番号を確認して入力 |
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「有」を選択 |
共済契約者番号 | 番号を確認して入力 |
項目 | 入力内容 |
---|---|
加入状況 | 「有」を選択 |
労災保険番号 | 番号を確認して入力 |
整理番号 | 番号を確認して入力 |
各種任意項目の入力はCT-NET・電子証明書の種類・主要取引先・表彰履歴・所属団体があり、必要に応じて下記の手順で登録します。
項目 | 入力内容 |
---|---|
CT-NET | 利用者の有無を選択→「企業識別コード」を入力 |
電子証明書の種類 | 「明細登録」を押す→種類名を選択→「設定」を押して登録 |
主要取引先 | 「明細登録」を押す→会社名を入力→「設定」を押して登録 |
表彰履歴 | 「明細登録」を押す→表彰名・年月日を入力→「設定」を押して登録 |
所属団体 | 「明細登録」を押す→所属団体を選択→「設定」を押して登録 |
建設キャリアアップシステム事業者登録の各項目への入力がすべて完了すると、次に申請内容の確認を行います。「申請内容確認へ」をクリックすると、今まで入力した内容が表示されます。
入力ミスや入力漏れがないfか確認し、修正がある場合は再度編集を行います。また、証明書類の添付についてもミスがないか確認しましょう。
申請内容の確認完了後、「申請」をクリックすれば、建設キャリアアップシステムの事業者登録は完了です。
建設キャリアアップシステムの利用には、事業者登録以外に、技能者登録・現場登録・施工体制の登録などが必要です。加えて、元請け側では建設現場へICカードリーダーなどの読み取り機材を設置する必要があります。
ここでは、登録キャリアップシステムの登録から運用までの流れを解説します。
建設キャリアアップシステムを導入した建設現場で就業する技能者は、事前にCCUSに技能者登録を行い、建設キャリアアップカードを入手する必要があります。その後、専用のICカードを利用して、出退勤などを管理できる仕組みです。
建設キャリアアップシステムの技能者登録は、各技能者が保有資格・社会保険加入状況や就業履歴をCCUSの公式サイトから登録します。申請後1か月で建設キャリアアップカード(ICカード)を取得できます。
建設キャリアアップシステムを導入する建設現場には、元請事業者が現場情報をシステムに登録する必要があり、工事概要・契約情報・施工体制をCCUSに登録します。
下請事業者は、その施工体制に対して作業員名簿をCCUSに登録します。登録の際に、技能者の立場(職長など)・作業内容・作業期間を登録します。
CCUSへ現場情報の登録完了後、元請事業者はシステムを導入する建設現場に対して、技能者の就業履歴を蓄積するためのICカードリーダーを設置する必要があります。
技能者が建設現場に入退場する時に、ICカードリーダーへ建設キャリアアップカードをタッチすると、技能者の就業履歴が建設キャリアアップシステムに蓄積される仕組みです。
事業者が建設キャリアアップシステムの運用を成功させるポイントは、余裕のあるスケジュールを組むこと、使いやすいICカードリーダを選ぶことです。
建設キャリアアップシステムの登録には、事業者登録の申請に1週間・審査に2週間、技能者登録の申請に1週間・審査に3週間かかります。申請の準備期間も入れるとそれ以上の時間が必要です。
事業者及び技能者の登録には思った以上に時間を要するため、導入に向けて余裕をもって申請や機器の準備をすることをお勧めします。
建設現場にICカードリーダを設置する際には、現場の設置環境を十分に確認する必要があります。設置する場所は屋外か、インターネット接続環境はあるか、など使用環境に合わせたICカードリーダーの選定が必要です。また、機器導入後のソフトインストールや各種設定の作業も考慮する必要があります。
建設キャリアアップシステムに対応したICカードリーダーとして、設置して電源を入れるだけで使用できるタイプもあります。使用環境やインターネット接続が心配な方はご検討ください。
建設キャリアアップシステムの事業者登録には有効期限があり、定期的な更新手続きが必要です。有効期限は新規登録完了から5年となっています。
更新手続きは、有効期限の6か月前から可能です。更新申請をしない場合は、CCUSが利用できなくなりますので、遅くとも有効期限の1か月前までに更新申請されることをお勧めします。
建設キャリアアップシステム導入に向けては事前に事業者登録及び技能者登録を行います。事業者は現場情報・工事概要・施工体制を登録し、建築現場にICカードリーダーを設置します。技能者は現場でそのICカードリーダにタッチして就業履歴を蓄積します。
建設現場に設置するICカードリーダは現場環境に合わせた使いやすいものを用意します。
カードリーダーシステム「Easy Pass」は、4G回線を利用した通信方式のため、インターネット接続環境がない現場でも電源を入れるだけで簡単に運用を始められます。
使いやすいカードリーダーを探している方は、ぜひ「Easy Pass」のご利用をご検討ください。