建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報
Tips
建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報
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建設キャリアアップシステムは、技能者の能力・経験等に応じた適性な処遇改善につなげることを目的として、2019年4月にスタートしました。ところが開始して現在にいたるまで「建設キャリアアップシステムは失敗している」と言われており、それらの理由について詳しく解説します。
また、建設キャリアアップシステムの技能者登録・事業者登録の申請や建設現場登録・ICカードリーダー設置など現場の運用について、失敗しやすいポイントと対策や失敗を防ぐための方法などについて解説します。
運用面での失敗を最小限に抑える方法として、建設現場で電源コードを插すだけで即運用を開始できる、便利なICカードリーダーも存在するので、これから建設キャリアアップシステムの導入を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
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建設キャリアアップシステム(CCUS)という制度は、若い世代が安心して働き続けられる建設業界を目指すものとして、国土交通省を初め関連団体が大きな期待を持って運用を開始しました。
ところが、「赤字の運営」「大幅な値上げ」「普及率の低さ」などの理由から「建設キャリアアップシステムは失敗している」と言われています。それらの内容について詳しく解説します。
国土交通省では当初、建設キャリアアップシステムの技能者登録者数を、運用開始から1年間で100万人の登録を計画していました。ところが蓋を開けて見れば、登録者数22万人と思うように伸びず、システムの運営自体も赤字状態が続いています。
建設キャリアアップシステムの赤字運営の原因として、登録審査やコールセンターの人件費など運営費用が予定以上にかかっており、2019年度末での累積赤字は42億9千万となりました。
これにより、2020年10月からは電話での相談窓口の廃止や登録方法を原則インターネットに1本化するなどの人件費削減を行い、さらに建設キャリアアップシステムにかかる利用料金の大幅値上げが行われることになりました。実施された料金改定の内容は以下のとおりです。
項目 | 2020年10月からの料金改定内容 | |
---|---|---|
事業関連費用 | 事業者登録料 | 2倍 |
ID利用料(年額) | 2,400円 → 11,400円 | |
現場利用料(ワンタッチあたり) | 3円 → 10円 | |
技能者関連費用 | 技能者登録料(詳細型) | 2,500円 → 4,900円 |
建設キャリアアップシステムの技能者登録は、1年目に100万人の登録を想定して2019年4月にスタートしましたが、100万人を達成したのは3年半後の2022年10月となり、普及するのに非常に時間がかかってしまいました。技能者及び事業者の登録数の推移は以下のとおりです。
2020年度 | 2021年度 | 2022度 | 2023年度(予測) | 2024年度(予測) | 2025年度(予測) | |
---|---|---|---|---|---|---|
技能者登録数(万人) | 50 | 80 | 110 | 130 | 140 | 150 |
事業者登録数(万社) | 7 | 10 | 13 | 15 | 16 | 16 |
2020年の料金改定後も赤字運営は続いており、2022年度末での累計赤字は64億7千万まで膨れ上がっています。2023年度以降については、単年度黒字化を目標に掲げており、登録者数の目標も達成していることから改善方向に向かうと見られます。
建設キャリアアップシステムの事業者登録・技能者登録の申請では、受付順に審査を行います。内容に不備がある場合は「不備メール」が届きます。登録内容を修正して「再申請」を行うのですが、この場合も受付順に対応しているため、審査完了までに初回申請と同程度の日数がかかってしまいます。
事業者登録・技能者登録で、申請内容や確認書類の不備で余計な時間がかからないよう、以下の内容に注意して申請を行いましょう。
事業者登録・技能者登録の申請で、失敗しないためのポイントは、建設キャリアアップシステムの公式サイトTOPページ「各種資料」内の「登録関係資料」を十分読んで登録することです。
事業者登録については「事業者情報の登録に関する手引き」を読んだ上で、インターネット申請ガイダンスの「インターネット申請 事業者情報登録」Section1〜5の手順で登録を行いましょう。
技能者登録については「技能者情報の登録に関する手引き」を読んだ上で、インターネット申請ガイダンスの「インターネット申請 技能者情報登録」Section1〜7の手順で登録を行いましょう。
事業者登録・技能者登録の申請では、各項目毎に証明書類の添付が必要です。証明書類については指定された書類以外を提出した場合は、不備となる可能性がありますので十分確認して添付しましょう。
事業者登録の証明書類は、建設キャリアアップシステムの公式サイトTOPページ「各種資料」内の「証明書類見本一覧事業者編」で確認しましょう。
技能者登録の証明書類は、建設キャリアアップシステムの公式サイトTOPページ「各種資料」内の「証明書類見本一覧技能者編」で確認しましょう。
また、インターネット申請の場合は、各証明書類をJPG形式のファイルにして添付する必要があります。別なファイル形式で添付した場合は「拡張子がJPG(JPEG)のファイルを選択してください。」と表示されて添付できませんので十分注意しましょう。
登録料の支払いについては、申請時に支払いが完了するクレジットカード払いと、後日支払いが発生するゆうちょまたはコンビニの払込票払い・銀行振込がありますので、支払い方法を十分確認しましょう。
事業者登録料は、建設キャリアアップシステム側で事業者の資本金を確認し登録料を算出します。事業者登録申請後に「お支払い依頼のメール」が届きますので、指定の方法で支払う必要があります。事業者登録料の金額によって支払い方法が違うので注意が必要です。支払い方法は以下のとおりです。
資本金 | 事業者登録料 | 支払い方法 |
---|---|---|
500万未満〜5,000万未満 | 6,000円〜48,000円 | クレジットカード、ゆうちょ払込またはコンビニ払込(払込票を別途送付) |
5,000万以上 | 60,000円〜2,400,000円 | 銀行振込(請求書を別途送付) |
個人事業主 | 6,000円 | クレジットカード、ゆうちょ払込またはコンビニ払込(払込票を別途送付) |
一人親方 | 無料 | ー |
技能者登録料の支払い方法は、申請時にクレジットカードまたは払込票の2種類を選択できます。払込票の場合は後日、払込票が郵送で届きますので忘れずに支払いを完了させましょう。
建設キャリアアップシステムの運用において「システムにログインできない」「管理者IDを誤って作成した」「建設キャリアアップカードを忘れた」「建設キャリアアップカードを紛失した」など失敗することが考えられます。ここからは失敗しやすいポイントと対策を解説します。
また、建設現場に設置するICカードリーダーの失敗を回避するためにも、導入実績が豊富な「EasyPassカードリーダー」もご検討ください。
建設キャリアアップシステムの現場情報を入力する際に、管理者ID及びパスワードを入力して「パスワードが異なるか、ユーザー登録されていません」と表示されログインできない場合、入力した管理者IDかパスワードが間違っています。管理者IDまたはパスワードに間違いないか確認して再度入力してみましょう。
パスワードを忘れてしまった場合は、事業者管理権限のあるIDでログインして「パスワード再発行」をする必要があります。事業者管理権限のある管理者にパスワードの再発行を依頼しましょう。
管理者IDとは、建設キャリアアップシステムにログインして事業者情報の管理や現場登録、技能者情報の閲覧、帳票出力を行うためのログイン用のID(14桁)です。
管理者IDは、事業責任者ID及び第一階層から第三階層管理者IDまでが有料(現場管理者IDは無料)となっており、年間利用料が発生します。管理者ID利用料は、利用途中で削除しても返金されませんので、間違いのないよう登録しましょう。
また、登録された管理者IDの利用者名やメールアドレスなど、利用者情報の変更は可能です。変更する場合は、変更したい管理者IDと比較し、組織情報の階層が同等以上のIDでシステムにログインして利用者情報を更新します。
技能者は、建設キャリアアップシステムに技能者登録を行うと「建設キャリアアップカード(ICカード)」を入手できます。建設現場に設置されたICカードリーダーに、このカードをタッチすると建設キャリアアップシステムに就業履歴を蓄積することができます。
建設現場へ入場する際に、技能者が建設キャリアアップカードを忘れた場合は、あとで技能者または所属事業者が建設キャリアアップシステムにログインし、就業履歴を蓄積することができます。この場合、現場の元請事業者または所属事業者の承認が必要です。
建設キャリアアップカードを紛失した場合は、カードの再発行が可能です。再発行手数料として1,000円がかかります。さらにカードの再発行申請から入手まで、2週間以上の期間が必要となりますので、紛失しないように心がけましょう。
再発行の方法は、建設キャリアアップシステムのお問い合わせフォームから、お問い合わせ項目「②建設キャリアアップカードを再発行して欲しい(紛失等)」を選択し、必要事項を入力して送信することにより入手できます。
建設キャリアアップシステムの導入や運用にあたっては、様々な失敗やトラブルに直面することがあります。その際に解決するためのヒントや情報については、建設キャリアアップシステムの公式サイトで探すことができます。
それでも解決できない内容については、CCUS登録行政書士やCCUS認定アドバイザーに相談する方法もあります。ここではそれらの解決方法について解説します。
建設キャリアアップシステムの公式サイトTOPページ「各種資料」では、登録関係資料として「申請の手引き」「証明書類見本」「申請のガイダンス」など登録に必要な資料が揃っています。また、運用関係資料として「現場運用マニュアル」「利用者ご利用ガイダンス」などの資料があり、必要に応じて活用しましょう。
建設キャリアアップシステムの公式サイトTOPページ「FAQ」では、困った時にキーワードを入力して、解決方法を調べることができますので活用しましょう。
「CCUS登録行政書士」とは、建設キャリアアップシステム事業者登録及び技能者登録の申請を代行している行政書士となります。CCUS登録行政書士は全国で988人が登録(2023年12月現在)されています。
「CCUS認定アドバイザー」とは、建設キャリアアップシステムの登録、現場運用等に係る知識を修得し、CCUSの利用者に対する適切な指導及び助言等を行うことができる、一般財団法人建設業振興基金に認定された人です。CCUS認定アドバイザーは全国で216人が認定(2023年11月現在)されています。
建設現場にICカードリーダーを設置する場合、現場によってはインターネット接続環境がない場合や屋外に設置することも想定されるため、事前にそれらに対応したICカードリーダーとインターネット接続環境を用意する必要があります。
CCUS認定のカードリーダー「EasyPass」は4G回線を利用した通信方式のため、インターネット接続環境がない現場でも、電源を入れるだけで簡単に運用を始めることができます。また、外部設置も可能です。
建設キャリアアップシステムが普及するのに、非常に時間がかかり赤字運営が続いていましたが、2024年度の技能者登録者数は140万人を超えると予測されており、少しずつ改善方向に向かっています。
また、建設キャリアアップシステムの登録及び運用での失敗やトラブルについては、建設キャリアアップシステムの公式サイト「各種資料」「FAQ」を利用することにより、ほとんどの問題を解決できます。
それでも解決できない問題については、「CCUS登録行政書士」や「CCUS認定アドバイザー」に相談して解決する方法もあります。
運用面での失敗を最小限に抑える方法として建設現場で電源コードを插すだけで即運用を開始できる、CCUS認定のカードリーダー「EasyPass」もあります。