建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報
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建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報
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建設キャリアアップシステム(CCUS)について聞いたことがあるものの、「まだ必要性を感じていない」「事業者登録や技能者登録を勧められているが詳しい内容が分からない」などで登録していない方も多いのではないでしょうか。
実は、建設キャリアアップシステムに登録すると、事業者は「会社の評価が上がる」、技能者は「処遇が良くなる」など、大きなメリットを得られる可能性があります。
今回の記事では、建設キャリアアップシステムのメリットや導入の必要性について解説します。
また、事業者としても実際に運用を始める場合、ICカードリーダーや通信設備など現場に用意する機材について心配されている方も多いでしょう。電源を入れるだけで即運用を開始できる建設現場向けの便利なICカードリーダーもありますので、これから建設キャリアアップシステムの導入を検討している方はぜひ最後までお読みください。
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建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設現場で働く技能者の現場就業履歴や保有資格・社会保険加入状況などをデータベースに登録し、技能者の適正な評価や事業者の業務負担軽減に、役立てるシステムです。
建設キャリアアップシステムを導入すれば、「入札評価の加点」「技能者からの高評価」「出面管理の効率化」など事業者にとっても大きなメリットがあります。
ここでは、建設キャリアアップシステムの事業者が得られる主なメリットについて解説します。
公共工事では、施工体制、施工状況、出来栄えなどを発注者が採点する「工事成績評定」の制度があります。工事成績評定の点数が高いほど、高品質な工事を行える業者として入札時に有利になる制度です。
公共工事で増えている「CCUS活用モデル工事」は、建設キャリアアップシステムの導入状況によって、工事成績評定に加点されます。
また、全国の自治体では総合評価落札方式や入札参加資格審査時に、建設キャリアアップシステムの事業者登録および技能者登録をしている企業に対し、独自に加点評価する取り組みも加速しています。
今後、公共工事の入札に参加する場合は、建設キャリアアップシステムへの登録は非常に重要です。
建設キャリアアップシステムでは技能者がどのような工事に従事していたかなど、過去の就業履歴や保有資格についてCCUSのデータベースに蓄積できます。技能者の能力にも能力評価制度(レベル判定)によって4段階に評価して残せるのがメリットです。
事業者はキャリアアップシステムの情報を元に、技能者が今まで積み上げてきた経歴や保有資格・能力を閲覧できるため、技術者のキャリアやスキルを客観的に判断して適正に評価できるようになります。
出面管理を正確にできるのも建設キャリアアップシステムを導入するメリットです。
建設キャリアアップシステムを導入した現場では、入退場の際に必ず建設キャリアアップカードを現場のICカードリーダーにタッチするため、CCUSのデータベースに就業履歴を正しく蓄積できます。これにより、技能者が「いつ」「どこに」「どれくらい」その現場に入っていたのかを把握できます。
建設キャリアアップシステムの導入により、CCUSのデータベースを利用して技能者の賃金・安全・労務などの出面管理を正確に行えるのがメリットです。また、出面管理業務の負担も軽減できるため業務効率アップにもつながります。
建設キャリアアップシステムに登録している事業者は、従業員の高い技術力や豊富な経験などを元請事業者に明示的にアピールできます。「自社にはこのような資格や経験を持った優秀な技能者がいる」というアピール要素を客観的に証明できるのが建設キャリアアップシステムを導入するメリットです。
建設キャリアアップシステムを導入している元請事業者も、建設キャリアアップシステムを利用して、事業者の施工能力や技能者の経験、資格、社会保険加入状況などを確認するケースが多くなっています。そのため、建設キャリアアップシステムに事業者登録している下請事業者は、現場工事の受注に向けて有利になるのもメリットです。
事業者が建設キャリアアップシステムを導入すれば、建設業で働く技能者の技術力や経歴を建設業界共通の基準で適正に評価する事業者として、企業のイメージ向上に大きく役立ちます。
技能者が働く職場を選択する際に、適正な評価を行える企業として「建設キャリアアップシステムを導入している事業者」を必須条件にしている技能者も多くなっています。自身のスキルに応じた賃金や処遇を受けられると期待してもらえるため、魅力的な職場として映るのがメリットです。
建設現場の運用にあたり、事業者にとって「作業員名簿の作成」「施工体制台帳の作成」「建設業退職金共済の手続き」「社会保険加入状況の確認」などの事務作業が大きな負担となっています。
建設キャリアップシステムを導入した現場なら、上記書類も簡単に作成できるのがメリットです。CCUSのデータベースに登録されている「基本登録情報」「施工体制情報」「就業履歴情報」を元に書類作成を行えるため、大幅な事務作業の効率化につながります。
建設キャリアアップシステム(CCUS)は技能者の就業履歴や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場の効率化につなげるシステムとして大きく普及しました。
建設キャリアアップシステムは、事業者だけでなく技能者も大きなメリットを受けられます。
ここでは、建設キャリアアップシステムで技能者が得られる主なメリットについて解説します。
建設キャリアアップシステムは技能者が今まで積み上げてきた経歴や保有資格・能力について、事業者が閲覧できるため、技術者のキャリアやスキルを客観的に判断して適正に評価してもらえるメリットがあります。
技能者が自身のキャリアをベースに適正な評価が受けられるため、スキルに応じた賃金や処遇も期待でき、若い世代の建設業界離れが改善される効果も期待されています。
建設キャリアアップシステムに技能者登録すると、自分の資格や就業履歴がサーバーに保存されるため、転職時に自身の技能やキャリアを客観的に証明できるメリットがあります。
新たな職場で自身がどのような工事に従事してきたか、就業履歴や保有している資格情報などを提示できるため、技能者の経験や技能によって適正な評価と処遇を受けやすくなります。
建設業で働く労働者のための退職金制度(中小企業退職金共済法に基づく制度)として、建設業退職金共済制度があります。
従来の建設業退職金共済への掛金納付方式は「共済証紙貼付方式」です。ところが、「労働者が証紙を貼り付ける手帳を持たないことが多い」「事務の煩雑さ」「証紙の貼付状況確認が更新時に限られる」「証紙の過不足」など多くの問題を抱えていました。
これらの問題を改善するために、現在では建設業退職金共済と建設キャリアアップシステムを連携した「電子申請方式」への移行が勧められています。
建設キャリアアップシステムで蓄積される就業履歴を、データ連携により掛金充当に活用し、退職金給付の徹底と事務の効率化を実現しました。そのため、退職金を適切に受け取りやすくなるのが技能者側のメリットです。
建設技能者の能力評価制度(レベル判定)とは、登録基幹技能者制度のある35職種を、定められた能力評価によって建設技能者のレベルを4段階に分ける仕組みです。技能者のスキルを能力評価基準と照らし合わせ、その基準をクリアしたときに能力が判定される制度です。
能力評価制度のレベル判定で判定された技能レベルに応じて、建設キャリアアップカードを「白」「ブルー」「シルバー」「ゴールド」4種類の色で表現し、客観的に目に見える形にしています。
各レベルのカード色および内容は下記のとおりです。
階級 | カード色 | 内容 |
---|---|---|
レベル1 | ホワイト | 初級技能者(見習いの技能者等) |
レベル2 | ブルー | 中堅技能者(一人前の技能者) |
レベル3 | シルバー | 職長として現場に従事できる技能者 |
レベル4 | ゴールド | 高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等) |
建設キャリアアップカードがゴールド色のレベル4は、高度なマネジメント能力を有する技能者と定義されています。具体的には以下3つの要件を満たしている必要があります。
令和5年12月現在でのレベル4能力評価取得数は51,066件で、ゴールドカード取得のメリットは、レベルに応じた手当の支給や収入のアップが見込める点にあります。
建設キャリアアップカードの用途は色(レベル)に関係なく、就業履歴を蓄積させるために、建設現場への入退場時にICカードリーダーへタッチして活用します。
言い換えれば、建設現場では建設キャリアップカードの読み取り機器が必要です。建設現場で簡単に設置できるリーダーをお探しの方は、建設現場に置いて電源を入れるだけで使用できるCCUS認定のICカードリーダー「EasyPass」をご検討ください。
建設キャリアアップシステムの技能者登録をインターネットで申請する場合、「簡略型」と「詳細型」の2種類から選択できます。それぞれのメリットや特色が異なるため、事前のチェックが大切です。
ここでは、建設キャリアップシステムの簡略型・詳細型それぞれのメリットについて解説します。
※インターネット申請以外の認定登録機関で申請する場合は「詳細型」に限定されます。
建設キャリアアップシステム(CCUS)を簡易型で登録するメリットは次の3点です。
ただし、簡易型は技術者の能力評価制度(レベル判定)が利用できない点に注意が必要です。
なお、簡易型で登録した後でも必要に応じて詳細型に変更できます。その場合は追加で2,400円の料金が必要になるためご注意ください。
建設キャリアアップシステム(CCUS)を詳細型で登録するメリットは次の2点です。
技能者の能力・経験等に応じた適正な処遇改善につなげるためには、詳細型での登録が必要です。建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録で「簡易型」と「詳細型」で迷われている方は、メリットが大きい詳細型をおすすめします。
建設キャリアアップシステムは2023年より原則義務化となっており、建設キャリアアップシステムが導入されている建設現場に入る技能者は、建設キャリアアップカードがないと入場できない現場もあります。
ここでは、建設キャリアアップシステム(CCUS)導入の必要性について解説します。
建設業で外国人労働者を受け入れる事業者は、建設キャリアアップシステムの登録が義務付けられています。登録が義務付けられているのは、外国人を受け入れる事業者とその外国人本人となります。対象となる外国人は以下のとおりです。
特定技能外国人は建設キャリアアップシステム立ち上げ時(2019年4月)から義務化されています。2019年7月には国土交通省から「外国人労働者の受入基準に関する公示」があり、技能実習生と外国人建設就労者にも建設キャリアアップシステムへの登録が義務付けられました。
建設キャリアアップシステムは国土交通省から公表された「建設キャリアアップシステム普及・促進に向けた官民施策パッケージ」の方針により、2023年より原則義務化されております。
「2024年1月建設キャリアアップシステムの運営状況」の報告によると、2023年12月末時点での「技能者登録数は約134万6千人」「事業者登録数は約25万社」となりました。元請事業者の意向で、現場入場者に技能者登録を求める建設現場も多くなってきており、まだ登録がお済みでない方は早めの登録をおすすめします。
建設キャリアアップシステムで事業者が得られるメリットは、「公共工事の加点」「事業者や技能者への高評価」「事務作業などの業務効率アップ」があげられます。
また、技能者が得られるメリットには、自身のキャリアやスキルを証明して適正な評価や処遇が受けられる点があげられます。
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、事業者・技能者双方にメリットがあると言えるでしょう。
まずは、建設キャリアアップシステムについての概要を理解したうえで、事業者登録および技能者登録をおすすめします。
なお、事業者は登録完了後、自社の建設現場にICカードリーダーを設置して運用管理する必要があります。言い換えれば、建設キャリアアップシステムのメリットを実感するためにも、カードリーダーなどの機器を設置しなければなりません。
運用を手軽に始められる月額方式のICカードリーダー「EasyPass」なら、建設現場に設置して電源を入れるだけで簡単に運用を開始できますので、運用をお考えの方はぜひお気軽にご検討ください。