建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報

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建設キャリアアップシステム 2024.04.10

建設キャリアアップシステム(CCUS)のカードリーダーでおすすめは?手軽に導入できる製品を紹介

建設キャリアアップシステム(CCUS)の現場に設置するカードリーダーについて、「どのようなタイプのリーダーがあるのか」「自分が担当している現場で使えるリーダーはどれか」など、カードリーダーの選定に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

建設現場は現場ごとにカードリーダーを設置できる環境が違うため、事前に現場の状況を確認してからカードリーダーを選定したり、多くの現場環境に対応できるカードリーダーを探したりするなど、現場の環境や運用方法に合った製品を選ぶ必要があります。

今回は建設キャリアアップシステムについての概要から今後の流れ、登録や運用にかかる費用を解説します。現場に設置するカードリーダーの種類や選び方について詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

▼このコラムを読んでもらいたい方

  • CCUSの運用を開始しようと考えている方
  • CCUSに適したカードリーダーを探している方
  • CCUSの導入費用などが気になっている方

▼このコラムを読んで得られる情報

  • CCUSの概要から今後の流れ
  • CCUSの導入費用にかかる目安
  • CCUSにおすすめのカードリーダーとは何か

1.建設キャリアアップシステムの概要と展望

1.建設キャリアアップシステムの概要と展望

建設キャリアアップシステム(CCUS)は「技能者のキャリアを見える化して処遇の改善を図る」「事業者の工事品質向上や現場の効率を行う」などを目的として、2019年4月より本格運用が開始されました。

2023年には導入が原則義務化となっており、まだCCUSへの登録をされていない事業者や技能者については急いで申請を行う必要があります。

ここでは、建設キャリアアップシステムの概要と今後の流れや対応などについて解説します。

1-1.建設キャリアアップシステムとは

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、「建設業に関わる技能者の保有資格・社会保険加入状況」「現場の就業履歴」を電子的に記録・蓄積し、技能者の公正な評価や工事の品質向上、現場作業の効率化につなげるシステムです。

技能者のメリットとしては、保有資格や就業履歴を働く現場にかかわらず証明できるため、適正な評価と処遇を受けることが期待できます。

事業者のメリットとしては、技能者の就業状況などを容易に確認できるほか、現場の入場管理などを効率的に行えます。

また、建設キャリアアップシステムを導入して、建設業で働く技能者の技術力や経歴を、建設業界共通の基準で適正に評価する事業者として、企業のイメージ向上に大きく役立てられるのもメリットです。

※CCUSの概要に関する内容は下記リンクを参照。

1-2.今後の流れ

建設キャリアアップシステムは国土交通省から公表された「建設キャリアアップシステム普及・促進に向けた官民施策パッケージ」の方針により、2023年より原則義務化となっています。

建設業に従事する技能者及び建設業の事業者にとって、建設キャリアアップシステムの導入は必須と言えるでしょう。

「2024年3月建設キャリアアップシステムの運営状況」の報告によると、2024年2月末時点での「技能者登録数は約138万2千人」「事業者登録数は約25万5千社」となりました。

元請事業者の意向で、現場入場者に技能者登録を求める建設現場も多くなっており、まだ技能者登録及び事業者登録がお済みでない方は早めの登録をおすすめします。

※義務化に関する内容は下記のリンクを参照。

2.建設キャリアアップシステムの導入費用をチェック

2.建設キャリアアップシステムの導入費用をチェック

建設キャリアアップシステムの導入には、登録にかかる費用として「技能者登録料」「事業者登録料」があります。加えて、運用にかかる費用として「管理者IDの利用料」「現場利用料」が必要です。

ここでは、建設キャリアアップシステムにかかる導入費用について解説します。

2-1.登録にかかる費用

建設キャリアアップシステムを導入するには、事前に技能者登録及び登事業者録の申請が必要です。登録にかかる費用として「技能者登録料」と「事業者登録料」があります。

「技能者登録料」は、技能者が建設キャリアアップシステムを利用するのに必要な「建設キャリアアップカード」を取得する費用として以下の料金がかかります。

申請方法はインターネットと認定登機関があり、インターネット登録のみ簡略型と詳細型があります。

申請方法登録料金(税込)
インターネット簡略型2,500円
詳細型4,900円
認定登録機関詳細型4,900円
  • 簡略型とは「本人情報」「所属事業者情報」「社会保険情報」を登録したもの
  • 詳細型とは、簡略型に「保有資格情報」「健康診断受診歴」などを追加したもの

「事業者登録料」は事業者が建設キャリアアップシステムを利用するのに必要な登録費用です。事業者登録料は事業者の資本金ごとに登録料金が決められています。事業者の資本金ごとの料金は以下となります。

事業者の資本金登録料金(税込)
500万円未満6,000円
500万円以上1,000万円未満12,000円
1,000万円以上2,000万円未満24,000円
2,000万円以上5,000万円未満48,000円
5,000万円以上1億円未満60,000円
1億円以上3億円未満120,000円
3億円以上10億円未満240,000円
10億円以上50億円未満480,000円
50億円以上100億円未満600,000円
100億円以上500億円未満1,200,000円
500億円以上2,400,000円
  • 一人親方は事業者登録料が無料
  • 個人事業主の事業者登録料は6,000円

※登録にかかる費用の内容については下記のリンクを参照。

2-2.運用にかかる費用

建設キャリアアップシステムの運用には、現場管理に必要な「管理者IDの利用料」、技能者の履修登録に対する「現場利用料」が必要です。

「管理者IDの利用料」は事業者情報や現場情報の管理に必要な管理者IDの利用料金です。料金は以下となります。

管理者ID利用料金(税込)
1IDあたり11,400円
  • 一人親方は2,400円/年

「現場利用料」は現場における技能者就業履歴情報の登録回数に対する利用料金です。料金は以下となります。

内容利用料金(税込)
1人日・現場あたり10円

上記の運用にかかる費用のほか、建築現場ごとに技能者の建設キャリアアップカードを照合するためのカードリーダーの設置が必要です。そのため、「機器料金と工事料金」も必要となります。

※運用にかかる費用の参考資料については下記のリンクを参照。

3.建設キャリアアップシステムカードリーダーの種類と価格

3.建設キャリアアップシステムカードリーダーの種類と価格

建設キャリアアップシステムを導入する建設現場には、技能者の就業履歴を蓄積するためカードリーダーを設置する必要があります。

建設現場に設置するカードリーダーの種類としては、大きく分けて下記の2種類があります。

  • 4G(LTE)通信機能を搭載したCCUS専用のカードリーダーで、電源を入れるだけで運用できるタイプ
  • パソコンとカードリーダーを用意して専用ソフトをインストールし、各種設定を行って運用するタイプ

それぞれの特徴について解説します。

3-1.通信機能を搭載した専用カードリーダー

「4G(LTE)通信機能を搭載したCCUS専用のカードリーダー」は、必要機能をすべてカードリーダー本体に内蔵したモデルです。建設現場のACコンセントに挿すだけで自動的にサーバーと通信を開始し、建設キャリアアップシステムのカードリーダーとして運用できます。

CCUS認定の「EasyPass」なら、月額9,600円(税別/1台)の料金でご利用いただけます。初期費用や通信費などが含まれており、月額費用以外の別途費用は一切かかりません。必要な期間のみ使用して、返却はいつでも可能です。

カードリーダーは防滴・防塵仕様となっており、屋外の設置にも対応しています。また、建設業で使用されることが多いグリーンサイトについても連携しています。

3-2.PC・専用アプリを利用するカードリーダー​​

「パソコンとカードリーダーに専用ソフトで運用するタイプ」は、建設現場ごとにパソコンとPC用カードリーダー約30,000円(税別/1台)を用意する必要があります。就業履歴を登録するためのアプリ「建レコ」をインストールして運用するケースが一般的です。

パソコンの使用にインターネット環境が必要なため、建設現場にない場合はLAN環境またはWi-Fi環境を用意する必要があります。

建設キャリアアップシステムのカードリーダーとして運用するには、パソコンで「建レコ」アプリを起動して、事業者IDでログインします。該当の現場契約情報を表示させて、就業履歴を蓄積したい現場を選択し、「就業履歴登録を開始」をクリックすれば運用開始が可能です。

4.カードリーダーの選び方と注意点

4.カードリーダーの選び方と注意点

建設キャリアアップシステムのカードリーダー選びでは、「運用に手間がない」「使い方が分かりやすい」「場所を選ばない」などが大切です。選び方を間違えてしまうと思ったような運用がしづらく、トラブルを招いてしまうかもしれません。

ここでは、CCUS向けカードリーダーの選び方と注意点について解説します。

4-1.運用に手間がない​​

カードリーダーのタイプによっては、「現場ごとにパソコンやリーダーの設置場所」「インターネット環境の確認」「配線工事やネットワークの構築」が必要になる場合があります。建設キャリアアップシステムを導入するまで、非常に手間がかかる可能性があります。

また、運用にあたっては毎日パソコンなどの立ち上げやメンテナンスが必要となり、現場管理担当者にとっても大きな負担が掛かるのも事実です。

それに対し、パソコンやインターネット環境が必要のない、4G(LTE)対応のカードリーダーなら、現場のインターネット状況に関係なく利用できるメリットがあります。必要機能がすべて搭載されているモデルは、手間のかからないカードリーダーとしてもおすすめです。

4-2.使い方が分かりやすい

パソコンとの併用が前提のカードリーダーはパソコン操作が必要なため、建設キャリアアップシステムのマニュアルを読んで、システムの運用方法について理解する必要があります。

一方で、通信機能を搭載したCCUS専用のカードリーダーなら、電源を入れるだけで利用できるため、建設キャリアアップシステム周りの理解度もそこまで求められません。使い方が分かりやすいため即日運用をスタートしやすいほか、メンテナンスフリーのメリットもあります。

使い方の分かりやすさはシステム導入前後で非常に重要です。スムーズな導入を目指す場合は「電源を入れるだけ」など使い方が分かりやすいカードリーダータイプをおすすめします。

4-3.“場所を選ばない”カードリーダーがおすすめ

カードリーダーのなかには、屋内設置のみなどの製品も珍しくありません。しかし、現場によっては雨が当たる屋外に設置せざるを得ないケースもあり、「場所を選ぶカードリーダー」を導入してしまうと運用面でストレスを抱えてしまいます。

防滴・防塵仕様でCCUSに特化したカードリーダーなら、設置場所が雨の当たる屋外でも問題なく使用できる魅力があります。場所を選ばずに設置できるため、理想的な位置に設置してストレスフリーで運用しやすいのがメリットです。

カードリーダーの機能比較表

項目通信機能を搭載した専用カードリーダー(Easy Pass)パソコンとカードリーダーに専用ソフトで運用するタイプ
パソコン不要必要
インターネット環境不要必要
配線工事不要必要な場合あり
各種設定作業不要必要
毎日のソフト起動不要必要
屋外の運用可能不可(可能なものあり)
初期費用不要パソコン代・ネット環境整備費・リーダー約30,000円(税別/1台)配線工事費・インストール設定費
運用費月額9,600円(税別/1台)インターネット利用料上記機器がリースの場合はリース料

5.まとめ

建設現場にICカードリーダーを設置する場合、現場ごとに「インターネット接続環境の確認」「制御装置及びICカードリーダーの設置工事」「ネットワークやソフトの設定」など、運用できる状態にするまでには手間のかかる作業です。

そこで、通信機能を搭載した専用カードリーダー(Easy Pass)を導入すれば「手間のかからない」「使い方が分かりやすい」「場所を選ばない」など、ストレスのない運用を実現できます。

CCUS認定のICカードリーダー「EasyPass」なら、建設現場に置いて電源を入れるだけで使用できます。インターネット環境やソフト設定、工事など一切必要ありません。費用は月額制で、1台あたり月額9,600円(税別)でご利用いただけます。ICカードリーダーをお探しの方は、ぜひご検討ください。

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