建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報
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建設キャリアアップシステム(CCUS)に関するお役立ち情報
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近年、建設業界における労働力不足や高齢化などさまざまな問題があり、現場の業務改善は急務です。そのような状況を改善するべく、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の導入が進んでいます。
「建設キャリアアップシステム(CCUS)」を活用すれば、技能者の能力や経験を適正に図って処遇改善につなげたり、技能者を雇用・育成する業界環境を構築したりするのに役立つのがポイントです。
一方で「建設キャリアアップシステム(CCUS)」には、専用カードリーダーを用いたタイプやスマートフォンを用いた顔認証など、技能者を識別するための認証システムが欠かせません。
この記事では、建設キャリアアップシステム(CCUS)の顔認証登録についてお悩みの方へ、CCUSの基礎概要から顔認証の仕組みやメリットを解説します。CCUSの導入を考えている方へ向けて顔認証登録システムが不向きな現場の傾向についても解説しますので、あわせてご参照ください。
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建設業界では就業者数が減少してきており、労働力不足が大きな問題となっています。また、業界の高齢化も進んでおり、今後さらに人手不足が深刻になると予測されているのも事実です。
建設業は新たな雇用の確保が必須となっており、若い人材から見た建設業界が魅力的な業種となるよう、現場での業務改善や処遇の改善などの対策が急務となっています。
建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに、「2022年には479万人(ピーク時から約30%減少)」と年々減り続けています。また、2022年における建設就業者50歳以上の割合は約50%、さらに60歳以上の割合は約25%と、他の産業に比べると高齢化が進んでいるのが現状です。
建設業は数年後、高齢化の影響で労働者不足が更に深刻化すると見られています。将来の建設業における生産体制を維持していくためには、若手の人材をいかにして確保するかが大きな課題です。
参考:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」
建設業の需要は2011年から毎年増加傾向にありますが、建設業の就業者数は減少しています。長時間労働や出勤日数の増加など、技能者への負担が大きく離職者も多くなってきているのが現状です。
高齢者の割合が多い建設業では2025年から団塊世代の退職者が大幅に増えるため、さらに人手不足が深刻になると予測されています。
建設業界ではこれらの人手不足の対策として、工期の短縮や作業員一人あたりの生産性の向上などを目的とした、現場での業務改善が求められています。
参考:厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果」
新たな雇用を確保するには、現場での長時間労働を軽減する業務改善に取り組むほか、給与面の処遇についても大きく見直す必要があります。
建設業界の給与平均額は他業種と比較すると低いレベルにあり、根本的な処遇の改善が求められています。また、建設キャリアアップシステムを利用した就業履歴や保有資格の見える化により、技能者を客観的に判断して適正に評価する仕組みづくりも重要です。
上記のような背景から、建設キャリアアップシステムを導入して業務改善に取り組み、個々の能力を適切に評価&処遇を改善することが求められています。
建設業界が抱える課題として、個々の能力を把握・評価しづらく、スキルアップや処遇の向上につなげられない業界特有の仕組みが挙げられます。
技能者は日々異なる現場で働いているため、実績を蓄積・共有するプラットフォームがなく、それぞれのノウハウやスキルがどのようなものか処遇を含め検討することが難しくなっていました。
上記の問題点を解決する策として、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」が注目を集めています。技能者一人ひとりの就業実績や資格を登録し、技能者の公正な評価を下せるのがCCUSのシステムです。
その結果、工事の品質向上や現場作業の効率化、各技能者の適正評価によるモチベーションアップなどのメリットが見込まれています。
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設現場で働く技能者の現場就業履歴や保有資格・社会保険加入状況などをデータベースに登録し、技能者の適正な評価や事業者の業務負担軽減に、役立てるシステムです。
また、若い人材が安心して働き続けられる建設業界を目指して、 建設キャリアアップシステムの導入により「技能者の能力や経験に応じた適正な処遇改善」「技能者を雇用し育成する企業が伸びていける業界環境」を目的としています。
参考:一般財団法人建設業振興基金「CCUSについて」
建設キャリアアップシステムは国土交通省から公表された「建設キャリアアップシステム普及・促進に向けた官民施策パッケージ」の方針により、2023年より原則義務化されています。
「2024年4月建設キャリアアップシステムの運営状況」の報告によると、2024年3月末時点での「技能者登録数は約140万4千人」「事業者登録数は約25万8千社」となりました。元請事業者の意向で、現場入場者に技能者登録を求める建設現場も非常に多くなりました。
参考:一般財団法人建設業振興基金「建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージ」
建設キャリアアップシステム(CCUS)で就業履歴を登録・管理するには、現場に入退室を認識できるデバイスの導入が必要です。建設キャリアアップシステムの登録で利用できる認識方法には、「顔認証」「カードリーダー」「電話発信」などの選択肢があります。
多くの現場では、導入・運用面での手軽さからカードリーダーが選ばれる傾向にあります。一方で、電話発信及び顔認証の方法はカードリーダーの運用が適さない現場、カードリーダーの置けない現場、カードリーダーよりも運用がしやすいと判断される現場などにも利用されています。
建設現場にカードリーダーが設置できない現場では、入退場登録用の電話番号を取得し、掲示用パネルに入場用電話番号と退場用電話番号を掲載して建設現場に掲示します。
現場での運用は、技能者自身の携帯電話やスマートフォンから掲示された入場用または退場用の電話番号にコールするだけ(通話料は無料)で就業履歴情報を蓄積できます。
建設現場に設置するカードリーダーとしては、就業履歴登録アプリ「建レコ」をインストールしたパソコンに接続して使用するカードリーダーと、カードリーダー本体に通信機能など必要な機能を搭載しているカードリーダーの2種類があります。
現場での運用は、建設現場に設置された入退場用のカードリーダーに、建設キャリアアップカードをタッチすることで就業履歴情報を蓄積できます。
顔認証での入退場は、建設現場にカードリーダーが設置できない現場で利用できます。入退場登録用のQRコードを掲示用パネルに掲載して建設現場に掲示する仕組みです。
建設キャリアアップシステムにおける顔認証の登録・運用方法は、「技能者自身のスマートフォンで専用のアプリを起動し掲示されたQRコードを読み取り」「自分の顔をスマートフォンにかざして入場または退場ボタンを押す」手順で就業履歴情報を蓄積できます。
建設キャリアアップシステムにおける顔認証システムでの入退場登録は次項で詳しく解説します。
建設キャリアアップシステムには顔認証を使って入退場登録を行う仕組みも登場しています。CCUSにおける顔認証の具体的な仕組みと流れは以下のとおりです。
顔の認証・登録に使うデバイスは、「技能者自身が使っているスマートフォンに専用アプリをインストールする方法」「建設現場ごとに専用の顔認証デバイスを設置して登録・認証する方法」の2種類があります。
スマートフォンで専用アプリを活用する場合は、現場に掲示されているQRコードなどを読み取って、個人のスマートフォンで入退場のデータを登録できる仕組みです。
どちらの手法で運用するかは、事業者側が現場の状況に応じて選択することが可能です。建設キャリアアップシステムで顔認証登録・運用をするには、かならずどちらかのデバイスを導入する必要があり、技能者のスマートフォンを利用する場合は通信環境が届くエリアかなどもチェックする必要があります。
参考:一般財団法人建設業振興基金「建設キャリアアップシステム現場利用の基本的フロー」
建設キャリアアップシステム(CCUS)の入退場に顔認証システムを採用するメリットに、「建設現場への新たな設備の導入しなくても運用可能」な点が挙げられます。また、運用方法として顔認証用のデバイスを設置するタイプとお手持ちのスマートフォンなどを認証媒体とする場合の2通りがあります。
技能者自身のスマートフォンを利用して入退場の登録を行えるため、新たな現場に建設キャリアアップシステムを設営する際、事業者側にかかる導入作業・負担を大幅に軽減できるのが特長です。
ここでは、建設キャリアアップシステムで顔認証システムの登録・運用を行うメリットを解説します。
建設キャリアアップシステムを現場に導入する際、顔認証システムの登録であれば新たな設備が不要で運用できる点がメリットです。顔認証システムを採用した場合は、認証機器に技能者が所有する個人のスマートフォンを活用する形式となります。
そのため、事業者側が用意する作業はサーバーへアクセスするための「QRコード」を印刷したパネルを用意するだけで済むのが特長です。機材の更新やメンテナンスといった手間もかからず、QRコードひとつで、建設キャリアアップシステムの顔認証登録に対応した現場を増やせます。
建設キャリアアップシステムの現場入退場用デバイスにスマートフォンなどの顔認証システムを導入することにより、技能者が「いつ」「どこに」「どれくらい」その現場に入っていたのかを正確に把握できます。
現場監督者が今まで行っていた人数確認や各種報告書作成などの出面管理業務の負担も軽減できるため、業務効率アップにもつながります。
現場入退場用デバイスとしての顔認証システムは、下記のような建設現場でも利用できます。
現場入退場用デバイスがカードリーダーの場合、技能者は常に建設キャリアアップカードを携行する必要があります。カードを忘れてしまったり、紛失したりすると、パソコンなどを利用して自身の技能者ページへログイン・直接入力して登録する手間が掛かるのも事実です。
一方で、建設キャリアアップシステムを顔認証システムで登録している場合は、ほとんどのケースで自身の所有物である「スマートフォン」を活用するため、携行を忘れる確率を格段に減らせます。紛失トラブルなども防ぎやすく、建設キャリアアップシステムを安定して運用しやすくなります。
建設キャリアアップシステムには顔認証の登録以外にも、カードリーダーや電話発信認証などがあります。それぞれの登録方法に特色があり、なかには建設キャリアアップシステムの顔認証が不向きな現場も見られます。
建設キャリアアップシステムに顔認証システムを活用してデータを登録する場合は、現場の状況にあわせて選ぶことがベストです。
ここでは、顔認証システムが不向きな現場を解説します。
建設キャリアアップシステムの建設現場では、カードリーダーでの入退場が主流です。新たに顔認証システムを導入すると、「システムの入れ替え」「マニュアル整備」「現場への周知徹底」など、事業者にとっても手間のかかる作業になります。
また、現場で働く技能者も、カードリーダー方式での入退場になれている方が多くなっています。そのような状況から無理に顔認証を活用しようとしても、不快感をあらわにされてしまう可能性も否定できません。
加えて、高齢の技能者が多い建設業界では、自身のスマートフォンを活用した切り替えに対応できない可能性も考慮する必要があります。
デバイス管理・保管ができない現場も建設キャリアアップシステムの顔認証登録運用には向いていません。
基本的に、技能者が所有する個人のスマートフォンを活用する形式は住宅現場や修繕などの小規模工事現場が主な対象です。技能者全員がスマートフォンの運用を問題なく行え、かつスマホの携行や対象人数がそこまで多くない場合に活用しやすいメリットがあります。
一方で、対象人数が多かったり、情報漏洩などの観点からスマートフォンの持ち込みが禁止されていたりする現場があるのも事実です。場合によってはデバイスを保管する必要もあるため、保管・管理ができない現場では顔認証登録が向いていません。
そのため、デバイスの管理ができない現場では、建設キャリアアップシステムに顔認証システムを使った情報登録は難しいと言えます。
そのような現場では、パソコンやインターネット環境がなくても使用できる防水タイプのカードリーダーを活用するなど、顔認証以外の登録方法に目を向ける必要があります。
建設キャリアアップシステムを顔認証システムで運用すると、個人のスマホ利用が前提なため、現場で働く技能者から顔写真の撮影を否定的にとられてしまったり、デバイスの持ち込みが当たり前になったりします。
そのような状況が好ましくない場合は、現状として建設キャリアアップシステムのオーソドックスな認証方法である「カードリーダー」の利用がおすすめです。
カードリーダーなら手軽に認証を進められるほか、カードをタッチするだけで済むため、高齢な現場担当者にも受け入れられやすい魅力があります。
ただし、建設現場にカードリーダーを設置するには「屋内・屋外」「防水性能の有無」「単体でインターネットに接続できるか」などさまざまな課題があるのも事実です。
もし、「現場の設置環境を事前に確認する手間が面倒」だと感じている場合は、「EasyPassカードリーダー」のご利用をご検討ください。現場に設置して電源を入れるだけで利用できるため、インターネットの接続環境や設置場所などの管理負担を気にせず、ストレスフリーでご活用いただけます。
「EasyPassカードリーダー」は面倒な現場情報取得や各種設定作業をする必要が無く、現場に設置してコンセントを挿したらすぐに使用できます。本体以外に必要な機器もありません。
また、EasyPassは現場専用のデバイスとして設置するため、毎回ログインしたり、現場設定したりすることなく、カードタッチのみで就業履歴を蓄積できる点もメリットとして挙げられます。
建設キャリアアップシステム対応のカードリーダーはパソコンに接続して運用する製品が多く、現場への機器導入後にソフトインストールや各種設定作業も必要です。場合によってはパソコンからカードリーダーまでの配線工事が必要なカードリーダーもあり、運用面で大きな手間が掛かってしまいます。
「EasyPassカードリーダー」なら、コンセントに入れるだけで簡単に運用をスタートできるのが特長です。
「EasyPassカードリーダー」はリーダー本体に4G(LTE)回線への通信機能を搭載しているため、電源を入れるだけで自動的にサーバーと通信を開始し、就業履歴を蓄積できます。
建設現場のICカードリーダで建設キャリアアップカードをタッチして建設キャリアアップシステムのサーバーに就業履歴を蓄積するためには、インターネット接続環境が必要となります。パソコンに接続するタイプのカードリーダーの場合、現場でLAN又はWi-Fi環境がない場合は別途工事が必要です。
現場のLANやWi-Fi環境を気にせず、人口カバー率99%の4G回線に接続できるため、多くの建設現場で手間を掛けずに情報を蓄積できます。
「EasyPassカードリーダー」はリーダー本体が、優れた防塵・防水性を持つ完全密閉構造(IP65相当)のため、屋外に設置して運用できるのも魅力です。
建設現場でのICカードリーダを設置する場所は、技能者(作業員)が現場に出入りするゲートに設置して運用するケースが多くなっています。しかし、現場事務所と建設現場が離れている場合は、屋外設置となる場合も多く、防水タイプのカードリーダーを用意しなければなりません。
先述したパソコンと接続する必要性を加味すると、現場ごとに異なるカードリーダーを導入する手間がかかってしまうのも事実です。
「EasyPassカードリーダー」なら本体が通信環境を整えているほか、IP65相当の完全密閉構造により防水加工も施されています。そのため、屋外に設置してそのまま建設キャリアアップシステムの運用をスタートできるのが魅力です。
建設業界における課題の対策案として登場したのが建設キャリアアップシステムです。高齢化している業界の処遇を改善し若い人材を多く確保することを目的としています。
そんな建設キャリアアップシステムに欠かせないのが、現場で技能者個人を特定する認証ツールです。主流な方法にカードリーダーがあげられる一方で、設置できない現場に対して近年ではスマートフォンを活用した顔認証の登録も人気を集めています。
しかし、個人所有のスマートフォンを活用することや、アプリの操作などが求められる点で若干のトラブルを招いてしまうリスクも否定できません。そのようなときは、現場でも使いやすいカードリーダーを活用することがおすすめです。
現場環境に関係なくどこでも設置運用が可能な「EasyPassカードリーダー」、現場で電源を入れるだけで使用することができます。現場で簡単に使用できるカードリーダーをお探しの方は是非お問い合わせ下さい。